ファンダメンタル投資の教科書で決算書を読む

投資初心者は一体何から手をつければ良いのか、どんな知識が必要なのか!?

そーいった方向けに、とあるブログで、投資初心者でも読みやすいものから玄人向けまで、様々な書籍が紹介されていた。ちなみに長期・短期にしろ、入門編のコレはオススメ↓↓↓

いちばんカンタン!株の超入門書は初心者向けの本

そのとあるブログでは、長期・短期それぞれに4冊ずつ紹介されており、今回は長期投資家向けのLv2として、株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書(著者:足立武志)を読んでみた。

4章はテクニカル要素が強く、5章は応用編だったので、第1章〜3章までのファンダメンタル要素の強い部分だけ、一部抜粋して紹介。かなり長いので、文章の間違いとか多いかも…

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序章・決算書を使った銘柄選びとは?

株式投資をするためには、約4000社ある上場企業の銘柄から選ぶ訳だが、将来株価が上昇する可能性の高い銘柄を見つけ出すためには、決算書の活用が大切。

銘柄選びに決算書を利用することで「売上や利益を年々増やしている企業」や「企業価値に比べ、実際の株価が過少になっている企業」を見つけ出すことが可能。

では具体的に見る情報源には何があるか!?

主要なものには以下が挙げられる↓↓↓

  • 会社四季報
  • 決算短信
  • 有価証券報告書

会社四季報には、過去数年間の業績数値、将来の業績予想、財政状態、企業事業の状況、株主の状況、過去の株価推移、株価チャートなどコンパクトに掲載されている。

決算短信とは、決算発表書類の速報版という位置付けで、投資家が企業の決算を最も早く知れるもの。有価証券報告書に比べ、簡略化されている分、迅速に開示されるのも特徴だが、コレを見れば、会社四季報にまだ反映されていない最新情報を確認できる。

有価証券報告書とは、詳細な決算書だけでなく、企業の沿革、役員の状況、設備投資の状況、保有する不動産の状況など、企業に関する様々なことを知れる。

個人投資家はまず、最新の企業業績を決算短信で確認し、詳しい情報が知りたければ、有価証券報告書を確認するのが望ましい。

第1章・会社四季報を使い倒せ!

会社四季報は、年4回、毎年3月・6月・9月・12月の中頃に発行される。

コレを活用し、以下3つに該当する銘柄を探すことになる。

  • 成長株:売上や利益が年々増加し、今後も増加が見込める企業
  • 割安株:企業価値と比較し、株価が割安になっている企業
  • 復活株:どん底から不死鳥のように蘇る企業

本書ではそんな3種類の銘柄の見つけた方のヒントが書かれている。

成長株の探し方

まず第一に売上高や利益が毎期順調に伸びているかどうかを確認。

会社四季報には過去5年分の業績と当期及び来期の2期分の業績予想が掲載されているが、成長株を探すのであれば、以下の観点が大切↓↓↓

過去3年の業績推移を確認し、売上高と利益(特に経常利益)が毎年増加傾向かどうか.

初心者はまず、売上高と経常利益のみ確認でもOK。

ただし過去の業績や売上、利益とも順調に増加しても、当期以降、売上や利益が減ってしまうような予想であれば、成長株とは言えない。

それまでの増加スピードに比べ、明らかに鈍化している場合は要注意!!

本書ではミクシィの例が掲載されていた。

割安株の探し方

実際の株価が企業価値より明らかに低い株のことで、PER・PBR・配当利回りといった株式指標を活用。ただし、これらの株式指標は四季報発売3週間前の株価を基準に計算されているため、現時点での株価で確認する必要がある。

PERや配当利回りは、利益や配当金が大きく変動する株に対して信頼度が低い.

株式投資に不慣れな間は、割安株に投資する場合には、業績が不安定な銘柄は避け、毎期しっかりと利益をあげている銘柄から選ぶことが推奨されている。

復活株の探し方

過去の業績を確認し、赤字続きながらも赤字額が縮小している企業、前期は赤字であったものの当期以降は業績が回復する予想である企業が該当。

株価が下降トレンドである間は買わない.

赤字大幅縮小や黒字転換など、回復を見込んでも、その通りにならない可能性も当然ある。

財務状況を確認し、倒産の危険度をチェック

復活株の中には、倒産と紙一重の銘柄もあるため、財務欄チェックして、倒産の可能性の低い企業を選ぶ必要がある。倒産の危険性を測る7つの要素には以下がある。

  • 自己資本比率(株主持株比率)が低い
  • 現物同等金に比べて有利子負債が多い
  • 営業キャッシュ・フローがマイナス
  • 累積損失がある(利益余剰金が▲表示)
  • 債務超過である(自己資本が▲表示)
  • 赤字が5年以上続いている
  • 継続企業の前提に疑義の注記がある

該当数が多いほど倒産の危機が高い。多分具体的な読み方って、実際に決算書見ながら慣れるしかないし、初心者は本書を手にとって読むことをオススメしたい。

第2章・決算短信のチェックポイント

決算短信とは、企業が公表する決算書類であり、企業の業績や財政状態、その他の投資判断に役立つ情報が掲載されている。年1回の本決算時に開示される決算短信、年3回の四半期決算ごとに開示される四半期決算短信がある。

例えば3月決算企業の場合、決算短信は5月上旬、四半期決算短信は8月・11月・2月上旬頃に開示されるが、この決算短信はどのように活用すれば良いのか!?

サマリー情報で最新の業績を確認

会社四季報は3ヶ月ごとの発売なので、最新の企業情報が反映されるのに1〜3ヶ月程度後となり、逆に言えば会社四季報に掲載されている情報は、1〜3ヶ月前の情報になる。

決算短信の情報を元に、株価が大きく乱高下することは往々にしてあるので、最新の企業決算に関する情報は決算短信・四半期決算短信から入手することが大切。

決算短信のサマリーに掲載されている当期の売上高と利益の実績と、来季の売上高と利益の予想を、会社四季報の予想値と比べてみる.

会社四季報で成長性の高い銘柄も、実際の決算を確認すると割高であるケースは往々にある。

企業の経営成績や財政状態を詳しく知る

会社四季報で気になる会社を見つけたら、決算短信のココを確認↓↓↓

決算短信の「経営成績・財政状態に関する分析」の箇所.

当期の業績や財政状態、キャッシュ・フローの状況について具体的な説明、来季の見通しや予想が記載されている。なぜこの企業が当期に大赤字となったのか、あるいは来季以降も高成長を望めるかといった、会社四季報だけでは分からない情報を得ることができる。

この他にも企業の安全性や債務償還能力をチェックできる。

自己資本比率:総資産のうち自己資本の占める割合.

自己資本比率の比率は高いほど安全性が高く、80%以上であれば優良、50%以上ならば合格点、20以下であれば安全性の面でリスクが高い。

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:営業キャッシュ・フローで有利子負債を何年間で返済できるか表す指標.

この数値が低い程、返済に要する年数が短いことを意味し、有利子負債の返済能力が優れていると判断できる。

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フローが、利払いの何倍であるかを表す指標.

この数値が高い程、利息の支払額を営業キャッシュ・フローで十分に賄えることを示すため、利息の支払い能力が高いと判断できる。

貸借対照表・損益計算書・キャッシュ・フロー計算書を確認

貸借対照表の重要項目を抜き取ったものが会社四季報の財務欄で、損益計算書の重要項目を抜き取ったものが会社四季報の業績欄になる。

会社四季報を見て、以下のような点が気になったら、決算短信に掲載されている貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書を確認すれば疑問が解消される。

  • 営業利益が赤字なのに経常利益が黒字なのはなぜ!?
  • 経常利益が黒字なのに当期純利益が大赤字な理由は!?
  • 有利子負債のうち短期借入金、長期借入金、社債はいくら!?
  • 投資キャッシュ・フローや財務キャッシュ・フローがプラスになっている理由は!?

では、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書とは何だろうか!?

貸借対照表:企業の所有する財産や債務がどのくらいあるか.
損益計算書:一定期間に企業がどれだけ売上をあげ、費用を使い、いくら利益を得たか.
キャッシュ・フロー計算書:一定期間のキャッシュの増減額や増減要員を示したもの.

企業が倒産しないか、健全な経営が出来ているか、どんな要因でどれだけキャッシュが増減しているか確認が必要。

キャッシュ・フロー計算書の内訳

キャッシュ・フロー計算書では、キャッシュの増減を以下に分類できる。

  • 営業活動によるキャッシュ・フロー
  • 投資活動によるキャッシュ・フロー
  • 財務活動によるキャッシュ・フロー

営業によるキャッシュ・フローは本業により獲得したキャッシュ・フローで、営業利益に相当。プラスの金額ほど良い。マイナスだと本業で稼ぐどころか、減らしていることになる。

投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資や株式の取得といった投資活動により生じるキャッシュ・フローで、設備投資や株式取得をすれば、その分キャッシュが出て行くのでマイナスとなる。逆に株や固定資産を売却すれば、キャッシュが入ってくるのでプラスになる。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借り入れや増資、配当金の支払いなど、財務活動により生じるキャッシュ・フロー。新規借り入れや社債の発行、増資はキャッシュが入ってくるのでプラスになる。借り入れの返済等が進むと、キャッシュが出て行くのでマイナスとなる。

営業キャッシュ・フローが大きくマイナスの時、借り入れを増やすのは、資金操りに窮して急場凌ぎで借り入れを行った可能性があったり、キャッシュ・フローと貸借対照表・損益計算書を比較すると、粉飾決算の兆候が見えてくることがある。

企業が抱えるリスクについて

会社四季報で最近の動向や今後の注目度についての記事の欄に、「継続前提に重要事項」や「継続前提に疑義注記」というコメントが記載されている企業は、平たく言えば“企業が将来経営破綻してしまうリスクが他の企業より高い”ということを示している。

継続企業の前提に関する重要事項等の記載には、そのレベルに応じて2種類ある。

企業努力により経営破綻のリスク解消が十分可能な場合、決算短信や有価証券報告書には、継続企業の前提に関する重要事象が存在する旨が「リスク情報」として記載される。四季報に「継続前提に重要事項」の記載がある企業はコレに該当。

企業努力によっても経営破綻のリスクを解消できない可能性がある場合、財務諸表の後ろに「破綻企業の前提に関する注記」が記載される。四季報に「継続前提に疑義注記」の記載がある企業はコレに該当。

継続企業の前提に関する重要事項等が「リスク情報」として記載されている企業より、「継続企業の前提に関する注記」として記載されている企業の方が事態は遥かに深刻なので、このような記載がある場合、初心者や初級者は慎重に考えた方が良いと言える。

第3章・決算書に関連した代表的なバリエーション指標

株価が割安かどうか判断するのに役立つ指標の代表例がPER・PRB・配当利回り。

PER = 株価 / 1株当たり当期純利益

投資資金を何年分の当期純利益で回収できるかを表す指標で、数値が低い程割安という意味。

PBR = 株価 / 1株当たり純資産

PBRは株価が1株当たりの純資産、つまり1株当たりの残余財産の何倍の水準にあるかを表している。PBRが1倍を割ると、株価よりも、現時点で企業を解散した時に株主が受け取れる金額の方が高い = 株価が割安であることを示すため、1倍を割っていると割安と言われる。

PERは今後獲得するであろう当期純利益の額と株価を比較して、割高・割安を判断する「フロー」の指標、PBRは既に現時点で企業に存在する純資産の額を企業価値と捉え、株価と比較して割安かを判断する「ストック」の指標.

業績が安定し、毎年黒字を計上しているような企業でなければ、PERによる適切な株価評価は難しく、優良企業の場合は一時的に業績が悪化したとしても、PBR1倍の水準で株価が下げ止まることがよく見られる。

ROE = (当期純利益 / 自己資本) * 100

ROEは企業規模に関わらず、企業の収益力を測れる物差し。

PER・PBR・ROEの関係について

ROEの計算式は以下のようにも言い換えられる。

ROE = 1株当たり当期純利益 / 1株当たり純資産(自己資本=純資産と言えるので)

つまり

PBR = PER * ROE

ということが言える。

PBRが低いということは、ROE*PERも低い。低PBRで割安感はあっても、低ROEならば収益力は低いので、あまり高い成長性は期待できないかもしれない。逆に低PBRでも高いROEと低いPERであれば、株価が割安で放置されている可能性が高い。

高ROE・低PBR・低PERの銘柄は「お宝銘柄」と言える.

PBRが高くROEも高い銘柄は、高ROEによる将来の純資産増加を織り込んでPBRが高くなっていると判断できるため、妥当な株価が形成されている傾向にある。

PER使用上の注意

PER使用の注意点を以下に記載。

  • 1株当たり当期純利益は予想値を使う
  • 企業の成長性の高低により、PERの水準は大きく異なる
  • 特別損失の影響を排除した実質PERを計算する
  • 1株当たり当期純利益は、企業が業績予想を修正しないと変動しない

PERの妥当水準は15〜20倍程度と言われており、利益が毎年安定し、成長の殆どない企業のPERは10倍前後に落ち着くことが多い。利益の額が今後も一定であると仮定した場合、投資元本を回収するのに10年かかる水準が株価の適正水準だと言われている。

またプロの投資家は、実際に企業訪問やリサーチを通して、実際の企業業績が予想より高いか低いか判断し、それに基づき投資行動を行っていると言われる。

つまり業績の悪化を既に株価は織り込んでいるのに、企業側からの業績予想の下方修正の発表がなされるまでタイムラグがあるから、その間PERは低下し、何も知らない個人投資家が「PERが低いから割安」と判断するのは危険と言える。

高PBR = 割高とは必ずしも言えない

PBRが低い程、割安と言われるが、必ずしも高PBRの銘柄は割高ではない。

高PBR銘柄は、市場が売上や利益の伸びといった高い成長性を評価している結果.

高PBRになっただけで、割高と判断するのは正しくない。

将来得られるであろう利益が、将来の純資産増加にも繋がることから、それを織り込んで高PBRになっているとも言える。

PBRはあくまでストック面から捉えた株価の割安度を測るためのもの.

また高成長により、将来的には純資産増加でPBRは下がってくるので、現時点でPBRが高くとも一向に問題がないケースもある。

自己資本の小さい企業の高ROEには注意!!

自己資本の金額が小さい企業のROEは、異常に高い数値を示しやすい。

例えばAの自己資本が8000、B社の自己資本が500だが、当期純利益が共に1000の場合を考える。A社のROEは12.5%だが、B社のROEは200%となるが、単純にB社の方が優れているとは言えない。

自己資本の金額が小さい企業は、自己資本比率が低いことが多く、安全性の面からも不安がある。収益性を測る別の指標であるROAや、安全性を測る指標である自己資本比率も併用することが大切。

配当利回りで注意すべき点

配当利回りが高いければ株価は割安と、単純には判断できない。

配当利回りについて、銘柄選びをする上で注意すべき点を幾つか抜粋。

  • 配当利回りが低くても、その銘柄が「割高」とは考えない
  • 配当利回りはあくまでも「予想値」であることに注意
  • 配当利回りの高低は相対的なものである点に注意

企業の成長性やPER、PBRなど様々な指標を用いて判断することが大切。

よくある間違った銘柄選び

低PER銘柄が放置される理由↓↓↓

  • 株式市場全体が低迷しているため、実態より売り込まれている
  • 業績悪化、成長鈍化を織り込んで株価が下落している
  • 不人気のため安値に放置されている

低PBR銘柄が放置される理由↓↓↓

  • 株式市場全体が軟調なため、企業実態より株価が売り込まれている
  • 含み損実現や業績悪化による将来の純資産現象を織り込んで株価が下落
  • 不人気のため安値のまま放置されている

配当利回りが高い理由↓↓↓

  • 株式市場全体が調整局面にあり、配当利回りが高い状態になるまで売られている
  • 予想より配当金が少なくなり、来季以降配当金が減らされる可能性が高いと市場が判断
  • 不人気のため安値に放置されている

配当利回りに関して、電力株やガス株など毎年利益が安定している銘柄の配当利回りと比べてみると良い。

正しい低PBR銘柄の選び方

低PBR銘柄に投資する際、以下の点に気をつけて銘柄を選ぶと安全。

  • 毎期黒字を計上している
  • 無借金、あるいはそれに近い状態
  • 営業キャッシュ・フローがが毎期プラス

業績に問題ない企業のPBRが0.1倍まで下がることは無いらしいが、0.3倍程度まで下がることは珍しく無いとか…

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